「自動車の運転には運転免許が必要」これは小学生でも知っています。同じように「免許」を持っている労働者や十分な教育を
受けた労働者にしか担当させてはいけない仕事が法律には定められています。一般に「免許」や「資格」と呼ばれています。
★免許
公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施する試験に合格した者でなくては運転や作業をさせることができません。全国7か所
の試験センターがあり、出張試験が実施されることもあります。自動車の運転免許証と同じように、労働局長名の「免許証」が交付され作業時には携帯しなけれ
ばいけません。
免許が必要な作業には
- クレーン・デリックの運転(つり上げ荷重5t以上)
- 移動式クレーンの運転(つり上げ荷重1t以上)
- 大型ボイラーの取り扱い
- ボイラー・第1種圧力容器の溶接
- ボイラー・第1種圧力容器の整備
- 潜水業務
などです。
★技能講習
技能講習は都道府県労働局長の登録を受けた登録教育機関が実施します。修了すると修了証が交付されます。そのことから「免
許」と呼ばれることが多いです。
技能講習の修了が必要な作業は
- 床上操作式クレーンの運転(つり上げ荷重5t以上)
- 小型移動式クレーンの運転(つり上げ荷重1t以上5t未満)
- 中型ボイラーの取り扱い
- ガス溶接作業
- 玉掛作業(つり上げ荷重1t以上のクレーン等)
- フォークリフトの運転(最大荷重1t以上)
- 建設機械(ブルドーザー、パワーショベルなど)の運転(機体重量3t以上)
- 高所作業車の運転(作業床の高さ10m以上)
- ショベルローダーの運転(最大荷重1t以上)
などです。
★特別教育
一定の危険有害作業については事業者は特別の教育を受けた労働者でなければその作業に就かせることはできません。
特別教育が必要な危険有害業務には
- 研削といしの取替、試運転の業務
- 動力プレスの金型・安全装置の取付、取外し、調整の業務
- アーク溶接作業
- ショベルローダーの運転(最大荷重1t未満)
- フォークリフトの運転(最大荷重1t未満)
- チェーンソーを用いて行う立木伐木または造材の業務
- 建設機械(ブルドーザー、パワーショベルなど)の運転(機体重量3t以上)
- 高所作業車の運転(作業床の高さ10m以上)
- 小型クレーン・デリックの運転(つり上げ荷重0.5t以上5t未満)
- 玉掛作業(つり上げ荷重1t未満のクレーン等)
- ゴンドラの操作
- 高圧室内作業
- 酸素欠乏危険作業
- 電離放射線取扱作業
- 特定粉じん作業
などがあります。
※作業主任者の選任
事業者は危険有害作業をさせる場合、免許を持つ者もしくは技能講習を修了した者(作業主任者)にその作業を行う労働者を指
揮させないといけません。
作業主任者がいなければならない業務には
- 高圧室内作業
- アセチレンまたはガス集合溶接作業
- 電離放射線を扱う作業
などには「免許」
ボイラー・第1種圧力容器取扱作業には「免許」または「技能講習」
- 木材加工用機械での作業
- 動力プレス(5台以上)での作業
- 治山の掘削、土止め支保工作業
- はい作業(2m以上)
- 足場・鉄骨などの組み立て作業(高さ5m以上)
- 特別化学物質や有機溶剤、鉛などを取扱う作業
などは「技能講習」の修了者でなければいけません。
特にややこしい作業を取りまとめてみますと
作業 |
免許 |
技能講習 |
特別教育 |
クレーン運転 |
5t以上
床上運転式(限定あり) |
床上操作式
(運転者が荷とともに移動するもの) |
0.5t以上5t未満 |
溶接作業
(ボイラーは除く) |
ガス溶接作業主任者 (アセチレンまたは集合装置) |
ガス溶接 |
アーク溶接 |
ボイラー取扱 |
大型
(伝熱面積による) |
中型 |
小型 |
電離放射線 |
作業主任者 |
|
作業者 |
特定化学物質取扱 |
|
作業主任者 |
作業者 |
玉掛 |
クレーン運転士
(s53.10.1以前) |
つり上げ荷重1t以上 |
つり上げ荷重1t未満 |
動力プレス |
|
作業主任者(5台以上) |
安全装置等取付取外し |
建設機械 |
|
機体重量3t以上 |
機体重量3t未満 |
フォークリフト |
(公道の運転)
※作業は不可 |
最大荷重1t以上 |
最大荷重1t未満 |
☆TOP☆
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