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会社を退職しようと決めたら |
長年勤めた会社を何らかの理由で退職する、というのは多くの方にとって人生の一大イベントです。何度も転職を繰り返している方ならともかく、何度もない方は最低限の知識をつけておくことが肝心です。
会社を退職する日が退職日です。当たり前のことですが、とても重要です。退職日をいつにするのか判断を誤った場合、退職した後で思わぬ不利益を蒙ってしまうこともあります。ボーナスの支給時期や、給与の締切日も考慮に入れるべきです。いつまで勤務するのか、と、いつ退職するのか、は別の問題と考えましょう。
「退職」するとその会社の一員でなくなりますので、会社の一員として得られていた権利は消滅します。健康保険や厚生年金、財形貯蓄、職域団体保険など、知らない間にいろいろな特典があるものなのです。労働組合員としての権利も消滅しますのであわせて注意しましょう。
健康保険と年金の手続に関してはできるだけ間を空けないほうが賢明です。本人または家族の誰かが病院にかかっているのならばなおさらです。旧勤務先の退職日と新勤務先の入社日に間が開いていたため保険給付が受けられなることもあります。止む無くあいてしまう場合には、面倒でも国民健康保険や国民年金の手続を行っておきましょう。目先の保険料にだまされることなく、つないでおいたほうが後々影響してくることがあるのです。
そんな気持ち理解できます。有給休暇は労働者に与えられた権利です。ですが、有給休暇をそれまで消化していなかった場合、出勤することを当てにしてた会社と退職者の間で最後にトラブルになってしまうということがたびたびあります。もちろん有給休暇は権利ですから使わせなかった会社が悪い、と言ってしまえばそれまでです。退職を告げる際に、有給休暇をどのように処理するか話し合っておいたほうが良いでしょう。場合によっては退職日を変更することも視野に入れましょう。
退職するときには入社するときと同じようにいろいろな書類を書かされたり、捺印を求められたりします。
ここで安易に捺印してしまったおかげで大変な目にあった、という方はいませんか。その書類に何の目的があるのか。その捺印に意味があるのかを尋ねておくことが重要です。
代表的なところでは
などです。
6ヶ月以上勤務した人が会社を退職すると失業保険(基本手当)がもらえます。みなさんご存知ですね。退職日以降に離職票が交付されますので、それを手にハローワーク(公共職業安定所、職安)へ出かけましょう。
基本手当を受けるには、求職の申込をしなくてはいけません。職業を探している人が新しい職が見つかるまでのつなぎに受けるのが基本手当です。職業に就かない人はもらえません。基本手当は離職の日から1年間で受けとらなくてはなりません。出産や病気・ケガなどですぐに職業についけない方は期間の延長を申し出ることができます。公共職業安定所長が指示を行った職業訓練を受ける場合には、その間基本手当が支給されます。
基本手当を受けられる期間は雇用保険を掛けていた期間や離職の理由によって日数が異なります。また、自己都合で退職した場合にはおよそ3ヶ月間の支給制限がなされ、その期間は基本手当を受けられません。
離職理由でもめてしまった場合は、その旨をハローワークの窓口で申し出ましょう。会社の都合で止む無くやめたのなら、堂々と主張してください。仮に退職願などに「自己都合」と書いてしまったとしても認められる場合もあります。あきらめることなく主張してみてください。
退職後の医療保険は下の表のように制度が異なっています。また、2ヶ月間継続して健康保険の被保険者であった場合には、健康保険を2年間に限り継続することができます。どちらが得かは人によって異なりますので市町村や年金事務所の協会けんぽ担当者などにお尋ねください。
自営業(退職者) |
会社員 |
(任意継続) |
|
代表的な制度 |
国民健康保険 |
協会管掌健康保険 |
協会管掌健康保険 |
窓口 |
市町村 |
年金事務所 |
協会けんぽ |
保険料 |
所得や財産に応じて 家族の人数で変わる |
給料・ボーナスの額に応じて 何人家族がいても同じ 会社と労働者で半分づつ負担 |
退職時の給与に応じて(上限あり) 何人家族がいても同じ 全額自己負担 |
納付 |
自分で納める |
給料天引き |
自分で納める |
給付 |
3割自己負担 |
3割自己負担 |
3割自己負担 |
その他 |
市町村によっては独自の給付がある |
育児休業中は保険料免除 病気ケガで仕事ができないときは月給の6割補償(1年6か月間) |
会社勤めをしている方は厚生年金保険に加入しています。同時に国民年金の第2号被保険者です。退職すると厚生年金は資格喪失しますが、国民年金は年齢が60歳になるまで資格喪失しません。つまり、国民年金を自分で掛けないといけません。自営業の方や20歳以上で無職の方は国民年金第1号被保険者となり、その事務は市町村が行っています。
注意すべきは、扶養している配偶者(夫または妻)がいる場合です。会社員の被扶養配偶者は国民年金の第3号被保険者となっています。配偶者が会社員でなくなると第1号被保険者となり、同じように自分で国民年金を掛けることとなります。
給料にかかる税金は会社が計算して申告・納付してくれています。退職したら年金などの所得税は自分で申告を行います。
税金には国に払うものと市町村に払うものがあります。もちろん都道府県に払う税金もありますが、所得が給与(退職金)や年金のみならばここでは考えなくてもいいでしょう。
国に納める所得税は確定申告で1年に1回申告納付します。毎月給料から天引き(源泉徴収)されていますが、あくまで概算払いです。12月に年末調整を行うことで精算します。退職すると年末調整がありませんので翌年の2月頃から3月15日までに確定申告の手続をしましょう。
市町村に納める住民税は分割払いが原則で、一括払いもできます。注意したいのは課税される年度が所得税と異なるということ。住民税の年度は6月から5月で、しかも前年の所得に税率を掛けますので退職した翌年も請求が多額の請求が来る場合があります。年末近くまで勤務した人は翌年6月に前年分の請求がきますので注意しましょう。
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