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●権利を侵害されてしまったら

はたらく人には労働組合を作る権利(団結権)や団体交渉をする権利(団体交渉権)、ストライキなどの労働争議を起こす権利(争議権)が保障されています。社会科で習ったはずですが、覚えていますか?ところが最近は労働組合の活動が以前ほど活発なものではなくなっています。組織率も2割ほどで多くの働く人がこれらの権利を十分に使うことができなくなっています。

それでは権利が侵害されてしまったらどうすればいいのでしょうか。はたらく人の権利が守られるように事業者を指導監督する機関が労働基準監督署です。監督署長は事業者に対し是正勧告や命令を行うことができます。

はたらく人が個別に事業者と話し合いをすることによって争いを解決する方法も用意されています。「個別労働紛争解決制度」といいます。この制度では公的機関(都道府県労働局長、労働委員会など)やADR機関(裁判外紛争解決機関)を通じて解決策の助言、指導、斡旋が行われます。

これらの制度においても解決できない紛争については、最終的には裁判手続で解決を図ることになりますが、平成18年4月からは労働審判制度がスタートし、裁判によらず簡易な手続で解決を図る制度が設けられました。

万が一、トラブルになってしまった際はタイムカードや給料明細書といった正式な書類があればより説得力が増しますが、たとえない場合でも

  • トラブルとなってしまった経過
  • 時間外労働など労働環境の状態
  • ほかの従業員から聞き取った情報
などできるだけ具体的な情報を集めておくとよいでしょう。

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