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戸籍と住民票

似ていますが全く別物です

●戸籍

戸籍は、日本国民の登記簿のようなものです。英語では戸籍も登記も"register"といいます。

いつ、どんな両親から生まれたか。いつ結婚(婚姻)したか。いつ死んだか、などが書かれています。

日本国民でない外国人の方は戸籍がありません。日本人と結婚しても日本人の戸籍に記載されるにすぎないのです。ちなみに皇室の方も戸籍がありません。代わりに「皇統譜」が編成されています。皇室の方は日本国憲法における日本国民ではありません。皇室を規定する法律である皇室典範は、戦前は大日本帝国憲法と対等な法でした。臣民とは別格だったのです。ですから、皇室のみなさんには日本国憲法で保障されている選挙権も職業選択の自由もないのです。皇室から出て皇室以外の人と結婚するとまさに「入籍」なわけですね。

戸籍は夫婦と氏を同じくする未婚の子をひとつの単位に調整されています。ですから、婚姻したり養子縁組をすると親の戸籍からは除かれることになります。戸籍の一番最初に書いてある人を「筆頭者」といいます。

戸籍の存在する場所が「本籍」です。本籍の市区町村役場に正本がおいてあります。抄本(戸籍の内容の一部が書いてある)や謄本(戸籍の内容が全部書いてある)は本籍地でないと取ることは出来ませんが、郵送で送ってもらうことが出来ます。最近ではコンピュータ化されている自治体も多く、「謄本」や「抄本」とはいわず「全部事項証明書」「一部事項証明書」というところもあります。

戸籍から除かれることを「除籍」といいます。結婚や子ができたことによって新しい戸籍が作られたときや、死亡、転籍(本籍を移すこと)すると戸籍簿から除かれて除籍簿につづられます。

成年者は従来の戸籍から新しい戸籍を作ることができます。これを「分籍」といいます。親の戸籍から自分だけの戸籍を作る作業がこれにあたります。

戸籍は時々様式の変更を行っています。その際、作り変えられた戸籍はそのとき生存している人について作られるので、以前同じ戸籍に入っていたもののすでに死亡している人については、様式が変わる前の戸籍にしか書いてありません。この変更前の戸籍のことを「改製原戸籍(かいせいはらこせき)」といいます。遺産相続のときによく登場します。

戦前の戸籍制度は「家」を制度がその中心でしたので、家長(戸主)を筆頭に一族が一つの戸籍につづられています。女性が婚姻で家を離れると夫の戸籍に入籍します。戸主が死亡したり、「家督相続」が行われた場合および戸主から離れる「分家」した場合に新たな戸籍が編成されました。戦前の戸籍はすべて手書きで読みづらいだけでなく、制度そのものが今と比べて複雑なので、調査するには時間が掛かります。

●住民票

戸籍と似たもので「住民票」があります。住民票は各市区町村に編成されている住民基本台帳の証明書です。話題になった住基ネットの「住基」はここからきたのです。

住民票は戸籍とは違って、同じ住所で暮らしている全員がひとつの単位になっています。よく目にする「世帯主」は住民基本台帳法上のことばです。世帯主は文字通り世帯の代表者で、いろいろな届出の義務が課せられています。

住民基本台帳のそもそもの目的は保険や福祉といった行政サービスを円滑に行うために現住所や世帯の構成を把握するために編成されています。加えて住民基本台帳の証明書である住民票には住所を証明する公的な書類としての意味合いを持たせて、それを住民のみなさんが身分を証明する書類として使っているのです。一方、戸籍には現住所の記載はありません。行政サービスを受けるのは日本国籍を持っている人だけではありませんが、外国籍の人は住民基本台帳に記載されていません。外国籍の人は「外国人登録制度」の情報を基に住民サービスが提供されています。

住民票には戸籍の附票がつけられており、行政は住民基本台帳と戸籍の情報を基にさまざまな住民サービスを国民に提供しているのです。


戸籍
住民票
根拠となる法律
戸籍法
住民基本台帳法
単位
夫婦と氏を同じくする未婚の子
住所を同じくする世帯
目的
近代的な税制や徴兵制、学制を作り上げるため 行政サービスを円滑に行うため
写しの申請
本籍地の市区町村役場
住所地の市区町村役場
管轄官庁
法務省
総務省

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